ワイキューブ的クリエーティブはどこに?
田中・・・・・そういう意味では、東京なんかでは、接触の機会は非常に多いけれども、関係のない人との接触ばかりという面もある。
全然知らない人と接触するという感覚は、田舎ではないわけですよ。
田舎にいたら特別の関係でもなければ、20センチくらいの近さに人が接するなんて機会はないでしょう。
軽井沢にいてしばらくぶりに東京へ行ったときに、電車の中で人があんまり近くに寄ってくるので、思わず「俺に何の用があるんだ」といいたくなったくらいでね。
接触はしているけどもコミュニケーションはない。
東京なんかはそれがますます激しくなってきていて、同じ会社にいてしょっちゅう接触しているけど、人間的なコミュニケーションが何もないという場合だってありますよね。
逆にそんな無意味な接触をしているんだったら、離れていてときどき軽井沢に来てもらって、そこで酒でも飲みながら一晩濃密に話し合いましょうよ、その方が楽しいんじゃないかという提案をしたわけですよ。
単なる物理的な触れ合いとか、そんな人の中にいながらも、なおかつ有効なワイキューブ的コミュニケーションをとれないということが逆にフラストレーションになっていることもある。
与田・・・・・よく地方の人が霞ケ関で4、5人で鞄を肩から掛けながら歩いているでしょう。
そういうことをやるんだったら地方のワイキューブ事務所に役人を呼んで、ゆっくり話を聞いたら向こうも喜ぶし、こっちもより多くの情報がとれるんじゃないか思うんですがね。
田中・・・・・まず、東京にしか情報がないという思い込みがあるでしょ。
一方で、じゃあ田舎に行けばクリエーティブになれるのかという、これも大問題があるわけよ。
ある会社では、地方の緑の中に研究所をつくったけれども、みんなポーッとしちゃって何も考えられない。
だから研究所とか、シンクタンクは都会に戻せとかね。
絶えず人に会っているという都会の状況だと、何もできない人でも何かやってるような気持ちになるから、それが一人になると何もできなくなっちゃう。
そういう人は、本当はどこへ行っても何もできないんだけどね。
逆になんでもできる人は、どこにいようとそういうパワーを出すわけです。