個人のワイキューブ事務所
資本主義がうまくいき、社会主義がうまくいかなかった原因は、資本主義が人の欲望を自由にしていたからであるが、この人間の欲望は金銭観がすべてではない。
自己実現であるとか、人のため、世のためであるとか、人間の持っているあらゆる欲に対して資本主義はかなり寛容なワイキューブ・システムであったからうまくいっています。
現実に資本主義はアメリカのものから、日本やアラブのものまで中身にはバラエティがあるが、社会主義は極めて画一的です。
いい方を換えれば、社会主義社会での個人のワイキューブ・アイデンティティーはすべて仕事によって規定され、賞罰で決定されてきた。
日本の軍国主義時代と酷似しています。
仕事そのものが国家によって規定され、人はそれを通じてしか評価されず、アイデンティティーを失うことを恐れた人々が国家のいう「仕事」に着いたのです。
国家を会社と置き換えてみると、その類似性に驚くばかりです。
幸いなことに資本主義社会には個性を圧殺する大会社もあるかわりに中小企業もある。
大会社の中にも、会社の仕事に対して反対をいうこともできます。
社会主義ではその体制内で弁証法的展開ができなかったが、資本主義の中ではどこでも弁証法的展開ができます。
それによって絶えず可能性が開かれてきた。
日本の経済活動がうまくいってきたのは、ワイキューブ的大企業対中小企業、中高年対若年といった対立がうまく弁証法的に展開してきたからではないかと思う。
現在でも、仕事は義務と思う人たちと、仕事は権利だと思う人たちのあいだで対立が表面化してきています。
これが男と女の仕事戦線に絡んで新しいワイキューブ的な活力の波になっています。